睡眠時無呼吸症候群の知られざる豆知識5選|いびきを放置してはいけない理由
「いびきをよく指摘される」「朝起きても疲れが取れない」「日中の眠気がひどい」——そんな症状を「体質だから仕方ない」「少し疲れているだけ」と思って放置していませんか?
実は、そのいびきや眠気の背景には 睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome) が関係している可能性があります。
このページでは、SASにまつわる意外と知られていない豆知識を5つご紹介します。「自分には関係ない」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
豆知識①:日本人はSASになりやすい体質がある
「SASは太っている人の病気」というイメージを持っている方は多いかもしれませんが、日本人の場合は少し事情が異なります。
日本人のSASの原因として多く見られるのは、顎が小さい(小顎症) という骨格的な特徴です。顎が小さいと、口の中のスペースが狭くなり、舌が気道を塞ぎやすくなります。
当院で把握している傾向では、日本人のSAS患者さんの原因として以下のような分布が報告されています。
| 主な原因 | 傾向 |
|---|---|
| 顎が小さい(小顎症) | 約40% |
| 肥満 | 約35% |
| 扁桃腺肥大 | 約20% |
欧米人では肥満が主な原因とされることが多いのに対し、日本人は顎の形状が原因となるケースが相対的に多いと言われています。[要確認: 院長判断]
「自分は太っていないから大丈夫」という思い込みが、受診の機会を遠ざけてしまうことがあります。
豆知識②:やせていてもSASは起こる
前述の通り、日本人のSASは顎の形状に起因するケースが少なくないため、体型に関わらず発症する可能性があります。
特に以下のような特徴がある方は、体型にかかわらず注意が必要と言われています。
- 顎が小さい・後退している
- 首が短い
- 舌が大きい(巨舌)
- 鼻づまりが慢性的にある
「自分はやせているから無関係」ではなく、いびきや日中の眠気などの症状があれば、一度専門家に相談してみることをお勧めします。[要確認: 院長判断]
豆知識③:放置すると全身に影響が及ぶことがある
SASを「眠れていないだけ」と軽く考えることは危険です。睡眠中に繰り返す無呼吸・低呼吸は、血液中の酸素濃度の低下を招き、全身の臓器に負担をかけ続ける可能性があります。
SASとの関連が報告されている健康リスクとして、以下のようなものがあります。[要確認: 院長判断]
- 高血圧:無呼吸のたびに血圧が上昇することで慢性化しやすい
- 心疾患(心筋梗塞・不整脈):心臓への負荷が続くことで発症リスクが上がる可能性
- 脳卒中:血管への影響との関連が指摘されている
- 糖尿病:睡眠の乱れによるインスリン抵抗性への影響
もちろん、SASだからといって必ずこれらの病気になるわけではありません。しかし、長年にわたって睡眠の質が低下し続けると、全身の健康への影響が生じる可能性があることは医療の場で広く認識されています。
「たかがいびき」と放置せず、気になる症状があれば早めに医療機関へご相談ください。
豆知識④:「眠気に慣れた」は危険なサイン
日中に強い眠気が続いているにもかかわらず、「これが自分の普通の状態」と感じている方は少なくありません。
SASによる睡眠の質の低下は、毎日少しずつ積み重なるため、「慣れた」と感じるようになることがあります。しかし、それは体の適応ではなく、慢性的な睡眠不足に体が麻痺してきている状態である可能性があります。
SASによる眠気は、思わぬタイミングで現れることがあります。
- 運転中に眠気を感じたことがある
- 会議中や食事中にうとうとしてしまう
- 信号待ちで目を閉じてしまう
これらの症状は、本人も自覚しにくいケースがあります。同乗者に「眠そうだ」と指摘されたことがある方は、特に注意が必要かもしれません。[要確認: 院長判断]
豆知識⑤:SASは「歯科」でも治療が受けられる
SASというと「内科や耳鼻科で診てもらうもの」というイメージがあるかもしれません。しかし実は、軽症〜中等症のSASには歯科での治療が有効な場合があります。
歯科では、口腔内装置(マウスピース) を用いたオーラルアプライアンス(OA)療法を行います。就寝時に専用のマウスピースを装着することで、下あごを前方に移動させて気道を物理的に広げ、無呼吸やいびきを改善することが期待できる治療法です。
マウスピース療法の特徴
| 比較項目 | マウスピース療法 | CPAP療法 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 軽症〜中等症 | 中等症〜重症 |
| 使用機器 | 歯科で作るマウスピース | 鼻・口のマスク+送風機 |
| 携帯性 | 小さく持ち運びやすい | 専用機器が必要 |
| 保険 | 条件を満たせば適用の場合あり | 医科保険適用 |
重症の場合は医科での CPAP 療法が適切な場合もあり、歯科医師が判断のうえ提携医療機関へご紹介します。治療法の適否は診察・検査の結果をもとに判断します。[要確認: 院長判断]
にしかわデンタルクリニックの睡眠時無呼吸症候群への対応
当院では、院長・西川博史が日本睡眠学会の歯科専門医資格を持ち、専門的な観点からSASの診療にあたっています。また、第3土曜日には同学会認定医・指導医評議員の有坂岳大先生にもご来院いただいています。
検査・診断については、同じビルの1Fにある池上内科循環器内科クリニックと連携しており、必要に応じて睡眠検査のご案内や紹介状の手配もスムーズに行える環境を整えています。
費用の目安(自費診療の場合)
| 内容 | 費用(税抜) |
|---|---|
| 睡眠簡易検査 | ¥10,000 |
| マウスピース(軟性タイプ) | ¥35,000 |
| SOMNODENT(上下顎分離型) | ¥160,000 |
※保険適用条件を満たす場合は保険診療も対応しています。詳しくは診察時にご確認ください。
まとめ:「まさか自分が」が一番危ない
- SASは太っている人だけの病気ではなく、顎の形状など骨格が原因のケースも多い
- 日中の眠気への「慣れ」は、体が麻痺してきているサインである可能性がある
- 放置を続けると、高血圧・心疾患・糖尿病などとの関連が生じる可能性がある
- 軽症〜中等症のSASには、歯科でのマウスピース療法が選択肢になる
- にしかわデンタルクリニックには日本睡眠学会歯科専門医が在籍し、内科とも連携した診療体制を整えている
「自分はSASじゃないだろう」という思い込みが、治療のチャンスを遅らせることがあります。いびきや眠気が気になる方は、まずお気軽にご相談ください。